甲府の庭

山梨県甲府市にある個人邸の中庭を施工しました。建て替えの案件であり、樹木は建て替え前から育てていたモノ(アオハダ・ミツバツツジ・スズラン・コハウチワカエデ・etc)を移植するカタチでデザインしています。

三方が壁で囲われており開放部は東向きという条件から朝日は十分に当たり西日を効果的に抑えることができる環境となっております。また、庇が1m程出ているデザインになっております。室内への日光をコントロールする目的の庇でしたが、中庭の直射日光を緩和する副次的な効果も付与されています。この2点の効果により、苔が植栽可能な環境が実現しています。

使用した苔の種類はスナゴケ・ハイゴケ・スギゴケ・ツヤゴケ・カモジゴケとなっています。環境を一つの面として見るのではなく日の当たらない石の影や築山の表と裏など微気象で注意深く環境を読むコトにより多彩な苔を植栽するコトが可能になります。(苔の性格を良く理解するコトが前提となります)

水鉢も以前はメダカを飼っていたモノを再利用しています。割栗石で水鉢からの流れを表現しています。

見切り材は、炭を排水効果・コンクリートのアルカリ成分の影響緩和を考慮して使用しています。またデザインのうえで、炭の黒色と苔の緑のコントラストも効果的な役割を果たしています。

玄関を開けると中庭が先ず最初に視界に飛び込むシチュエーションとなっています。空間を広く見せ、落ち着いた雰囲気を大切にしたかった為、余白を大きくとるコトを意識しデザインしています。

苔との境界線はエッジの効いた割石を柔らかなラインで繋ぎます。