積庭 tumu-niwa

作庭のデザインを担当させて頂きました。

コンセプトは「庭をスタックする」です。

下の写真が施工前になります、確認できる通り土がない環境になります。

面を縦に重ねる(スタック)することによりレイヤーをつくり、出来た隙間に植栽を行い空間をつくるデザインとしました。植栽は縦方向だけでなく横(壁面緑化)方向にも行うことにより線としての繫がりができることも意識しています。

 

<提案時のデザインコンセプトイラスト>

 

経年で錆色に変化していく様がクライアントの価値観と一致したのでレイヤーの素材は鉄を選択しました。

上の写真では少し分かりづらいですが、横方向が鉄板で塞がっている箇所とオープンになっている箇所があります。Rの壁面に沿って鉄板を立てています。動線の確保もしなくてはならなかったので壁面からの出っ張りは最大でおよそ1mとなっています。また今回の施工において特に気を付けた部分は空気層の確保と鉄板の熱対策になります。また、複雑な植栽となるので、自動潅水装置を組み込んでいます。

 

・植栽後のイメージ(施工後1ヶ月)

今回の作庭で感じたことの一つに普通の庭では利用価値が薄い樹形の樹木が絶妙な景色を創るという点でした。

壁面緑化(垂直面)方向からも樹木の植栽を行っている為、盆栽でいう”懸崖”の様なイメージが出来上がっています。これは今まで利用価値が薄いと思われてきた樹形だから出来たデザインだと思います。